2025.08.22公演情報

CHILL CLASSIC CONCERT SEASIDE -2000’s Memories Collection- セットリスト&楽曲アレンジ秘話 公開!

▼ 目次
セットリスト&楽曲アレンジ秘話
「CHE.R.RY (CHILL CLASSIC CONCERT Cover Ver.)」
「横顔」
「ラプソディ・イン・ブルー」
「Can You Keep A Secret?」
「明日晴れるかな」
「蕾」
「雪の華」
「しるし」
「たしかなこと」 
「花」 
「secret base〜君がくれたもの〜」
「メリクリ」
「愛唄」
「Sign」
今回も、すべての楽曲のアレンジを担当した、編曲家・中山博之さんに、アレンジを行なったポイントや聴きどころを話していただきました。
中山博之

中山博之編曲・ピアノ/企画協力

東京藝術大学作曲科卒業。

主な編曲作品「ジブリ・ザ・クラシックス」/Xbox360「ブルードラゴン」/「ロスト・オデッセイ」/「【DS版】ファイナルファンタジーIII」オープニング/「グイン サーガ」/「キングダムハーツ・ピアノコレクションズ」/「浅田舞&真央 スケーティング・ミュージック2009-10 カプリース」/「ファイナルファンタ ジーPIANO OPERA I / II / III、IV / V / VI、VII / VIII / IX」/「ファイナル ファンタジーオーケストラアルバム」/「Distant Worlds music from FINAL FANTASYコンサート」/「memoria!/下村陽子25周年ベストアルバム」/Apple Arcade「ファンタジアン」オーケストラピアニストとして東京交響楽団、日本フィルハーモニーとの共演、映画・TVコマーシャル音楽のピアノ演奏レコーディング、フィギュアスケートの 浅田真央選手がプログラムに使用した「カプリース」、NHK朝の連続テレビ 小説「梅ちゃん先生」の演奏を担当。

2006年 ポーランド大使館でショパン作品を演奏 2010年 ショパン生誕200年記念・NHKカルチャー主催のワルシャワ交流祭 ツアーに参加、ワルシャワ・パリにてショパンを演奏し喝采を浴びる。2011年 NHKラジオ第2文化講演会「ショパンとその時代」に出演 2012年 スペインのマヨルカ島、スイスツアーを開催 2014年 ブラジル・サンパウロにて海外初の「ピアノ・オペラ ファイナル ファンタジー」(国際交流基金主催)コンサートに出演 2015年・2016年「ピアノ・オペラ ファイナルファンタジー」ワールドツアー、パリ・ブリュッセル・ストックホルム・ロンドン・台湾・韓国・香港・シンガポール・ブラジル・メキシコ・ニューヨーク・ロサンゼルス公演に出演。2018年 東京白寿ホールにて、中山博之個展を開催。2021年東京オリンピック2020の開会式において、オーケストラ編曲したファイナルファンタジー""勝利のファンファーレ""が使用された。2022年10月から12月までNHKラジオ第2において、芸術その魅力「19世紀パリ音楽サロンへの旅」が13回にわたり放送される。2023年2月シンガポールにて、ファイナルファンタジーピアノリサイタルにソリストとして出演。2024年10月岐阜県で行われた国民文化祭開会式において、天皇皇后両陛下ご臨席の中、プッチーニ作曲トゥーランドットより「誰も寝てはならぬ」の室内楽編曲、ならびにピアノ演奏をする。

現在スクエア・エニックス公式YouTubeにて、ファイナルファンタジー作品等を編曲・演奏。https://www.youtube.com/channel/UCMx60HYcw1ieiPlZZagfqXQ

桐朋学園芸術短期大学非常勤講師、NHK、読売カルチャー講師。

編曲裏話

「CHE.R.RY (CHILL CLASSIC CONCERT Cover Ver.)」

―オープニングを飾る1曲目ですね
コンサートの幕分けにふさわしくなるよう、原曲の持つノリを大切にしながら、爽やかで明るい雰囲気に仕上げました。
原曲に忠実でありつつも、間奏明けのサビ前ではチルクラシックならではの変化を加えているので、注目して聴いていただけると嬉しいです。

「横顔」

―どのようなイメージの曲になりましたか?
こちらも原曲の良さを大切にしました。
2曲目なので重たくならないよう、あえて“音の引き算”をしています。
引き算をすることで、よりワクワク感と軽快さを持たせることができたかなと思います。

「ラプソディ・イン・ブルー」

―今回唯一のクラシック曲ですが、編曲にあたり特に難しかった点はありましたか?
この曲が一番大変だったかもしれません…
原曲は約15分の大作ですが、コンサートの演奏尺に収める必要があるので、どの部分を取り上げ、どう組み合わせれば曲として成立するのか…その取捨選択にはとても苦労しました。

「Can You Keep A Secret?」

―どのようなアレンジになりましたか?
ヴァイオリンのビルマンくんを主役に据え、言うなれば“宇多田×ビルマン”といったイメージですね。ヴァイオリンはもちろんですが、原曲にはないアドリブ風のサックスメロもあるので、ヴァイオリンとの掛け合いにも注目してほしいです。

「明日晴れるかな」

―こちらは小編成での楽曲ですね。
このあたりでガラッと雰囲気を変えたいなと思い、サックス・ヴァイオリン・チェロ・ピアノの四重奏にしました。
桑田さんの歌い方をイメージすると、やはりサックスは絶対入れたいなと。
―曲順によってアレンジって変わるものですか?
そうですね。
例えば、この曲がラストだったら全く異なるアレンジになっていたと思います。
全体の流れやストーリー性を考えながら、バランスを取ることが大事だったりするので。

「蕾」

―特にお気に入りのアレンジになったと伺いましたが…
そうなんですよ。
アレンジができあがった時、気づいたら涙が出ていて…(笑)
命であるメロディーを存分に歌わせて、かつカウンターメロディー(対旋律)が織り重なって紡ぎ合うことにより、美しさや切なさを際立たせるアレンジができたかなと思います。

「雪の華」

―ここを聴いてほしい!などポイントがあれば教えてください
Aメロのチェロソロを印象的にしました、さらにAメロが始まってから弦楽器が重なるタイミングをかなり我慢しました。最初のサビ直前(3分くらい)から一気に楽器が加わり、盛り上がっていく構成です。
この曲も素晴らしいですね…鳥肌が立ちます。

「しるし」

―注目してほしい楽器などありますか?
僕のピアノです(笑)。
基本的には原曲重視なのですが、メロディーに対してあえてコードを変えているところがあるので、そこにも注目していただけたら嬉しいです。

「たしかなこと」

―どんなイメージで編曲されましたか?
幅広い世代に親しまれている楽曲なので、小田和正さんの原曲のイメージをそのまま表現することを考えました。
オーケストラでいろんな楽器が重なって、少しずつ集まっていくような、あたたかさと感動を感じられるように仕上げました。
―冒頭、ファゴットから始まるのは珍しいなと思ったのですが
実は、出だし部分はかなり悩んで、5回くらい書き直したんです。
弦楽器で始めるか、フルートにするか…でもフルートだと華やかすぎるかな、と。
最終的には原曲の流れを大切にしたくて、木管楽器から入ることを決めました。
木管楽器、弦楽器からグロッケン、ハープへと続く流れは、我ながら良かったなと思っています。
曲の終わりは“完結しているようで、していない”。原曲の持つ“未来に向けて想いが続いていくような感覚”を残したくて、聴いてくださった方の中に、そっと絆が生まれるような…そんなイメージを大切にしました。

「花」

―ラップを含む楽曲をクラシックアレンジするのは難しそうだなと思ったんですが…
そうですね。
同じ音の羅列でも言葉があればそこにアクセントや抑揚があるので表情が生まれますが、音符のみになると機械的になってしまう恐れがあるので、まさに奏者の力量が試されるというか…チルクラシックのメンバーは素晴らしいので、表現力を存分に浴びてほしいです。

「secret base~君がくれたもの~」

―チルクラシックらしいアレンジになってるとお聞きしたのですが、どのあたりでしょうか?
曲順の前後の流れとストーリー性を考え、あえて原曲重視ではなく、透明感のある幻想的な雰囲気をイメージして作りました。
冒頭のピアノの単音から徐々に広がっていく音の世界観にも、ぜひ注目してほしいです。

「メリクリ」

―ズバリ、編曲のテーマを教えてください!
テーマは「夏のクリスマス」です!
ポップスとクラシックを交互に展開させる、チルクラシックならではの構成にしました。
クリスマスイメージの見た目がキラキラの楽器が活躍します(笑)
曲の構成としては、夏をポップス風、冬はクラシック風アレンジというイメージです。

「愛唄」

―苦労した点などありますか?
どこにどの楽器を配置するかの方向性が、中々決まらず苦労しました。
最後はセミではなく鈴虫が鳴いているような、田園風景に佇んでいるイメージで、現実に戻ってくるような雰囲気に仕上げました、夏(休み?)の終わりという感じでしょうか。

「Sign」

―本編、ラストを飾る曲ですね。
原曲の雰囲気は壊さず、各楽器にそれぞれ主役になる見せ場を作り、音の厚みで華やかさと壮大さを作りました。ラストにふさわしく、惜しみなく音を重ねました。
余談ですが、最後あえて原曲にはない転調をしてるんですが、不思議とミスチルさんっぽい転調ができたなと思ってます(笑)
最後に、横浜公演にお越しいただく皆さまへメッセージをお願いします。
2000年代の楽曲ということで、僕もアレンジしながら当時を思い出したりして懐かしかったのですが、みなさんと一緒にその時代へ戻れることを楽しみにしてます!
今回、改めて楽曲の持つ力とメロディーが素晴らしいなと思ったんですが、期待を裏切らないアレンジに仕上がっていると思うので、ぜひ一緒にチルな時間を共有できたら嬉しいです!

    公演タイトル

    CHILL CLASSIC CONCERT SEASIDE -2000’s Memories Collection-

    会場

    横浜港・大さん橋ホール
    〒231-0002 神奈川県横浜市中区海岸通1丁目1−4

    公演日時

    DAY1:2025年8月23日(土)
     第1公演 開場11:00 / 開演12:00
     第2公演 開場14:30 / 開演15:30
     第3公演 開場18:00 / 開演19:00

    DAY2:2025年8月24日(日)
     第1公演 開場10:00 / 開演11:00
     第2公演 開場13:30 / 開演14:30
     第3公演 開場17:00 / 開演18:00

     ※公演時間は約90分程度を予定