2025.06.06公演情報
CHILL CLASSIC CONCERT SEASIDE -Anime Collection- セットリスト&楽曲アレンジ秘話 公開!
「ジムノペディ第1番」
「Part of your world」
「ウィーアー!/ブルーバード/メリッサ/Believe/Butter-fly/COLORS/again(CHILL CLASSIC CONCERT Cover ver.)」メドレー
「残酷な天使のテーゼ/魂のルフラン」メドレー
「名探偵コナン メインテーマ」
「運命のルーレット廻して」
「Secret of my heart」
「渡月橋~君想ふ~」
「変わらないもの」
「Let It Go」
「勇者」
「Sincerely」
「ひまわりの約束」
「ボクノート」
「ムーンライト伝説」

東京藝術大学作曲科卒業。
主な編曲作品「ジブリ・ザ・クラシックス」/Xbox360「ブルードラゴン」/「ロスト・オデッセイ」/「【DS版】ファイナルファンタジーIII」オープニング/「グイン サーガ」/「キングダムハーツ・ピアノコレクションズ」/「浅田舞&真央 スケーティング・ミュージック2009-10 カプリース」/「ファイナルファンタ ジーPIANO OPERA I / II / III、IV / V / VI、VII / VIII / IX」/「ファイナル ファンタジーオーケストラアルバム」/「Distant Worlds music from FINAL FANTASYコンサート」/「memoria!/下村陽子25周年ベストアルバム」/Apple Arcade「ファンタジアン」オーケストラピアニストとして東京交響楽団、日本フィルハーモニーとの共演、映画・TVコマーシャル音楽のピアノ演奏レコーディング、フィギュアスケートの 浅田真央選手がプログラムに使用した「カプリース」、NHK朝の連続テレビ 小説「梅ちゃん先生」の演奏を担当。
2006年 ポーランド大使館でショパン作品を演奏 2010年 ショパン生誕200年記念・NHKカルチャー主催のワルシャワ交流祭 ツアーに参加、ワルシャワ・パリにてショパンを演奏し喝采を浴びる。2011年 NHKラジオ第2文化講演会「ショパンとその時代」に出演 2012年 スペインのマヨルカ島、スイスツアーを開催 2014年 ブラジル・サンパウロにて海外初の「ピアノ・オペラ ファイナル ファンタジー」(国際交流基金主催)コンサートに出演 2015年・2016年「ピアノ・オペラ ファイナルファンタジー」ワールドツアー、パリ・ブリュッセル・ストックホルム・ロンドン・台湾・韓国・香港・シンガポール・ブラジル・メキシコ・ニューヨーク・ロサンゼルス公演に出演。2018年 東京白寿ホールにて、中山博之個展を開催。2021年東京オリンピック2020の開会式において、オーケストラ編曲したファイナルファンタジー""勝利のファンファーレ""が使用された。2022年10月から12月までNHKラジオ第2において、芸術その魅力「19世紀パリ音楽サロンへの旅」が13回にわたり放送される。2023年2月シンガポールにて、ファイナルファンタジーピアノリサイタルにソリストとして出演。2024年10月岐阜県で行われた国民文化祭開会式において、天皇皇后両陛下ご臨席の中、プッチーニ作曲トゥーランドットより「誰も寝てはならぬ」の室内楽編曲、ならびにピアノ演奏をする。
現在スクエア・エニックス公式YouTubeにて、ファイナルファンタジー作品等を編曲・演奏。https://www.youtube.com/channel/UCMx60HYcw1ieiPlZZagfqXQ
桐朋学園芸術短期大学非常勤講師、NHK、読売カルチャー講師。
編曲裏話
「スパークル/なんでもないや/夢灯籠」メドレー
3曲をどう“つなげるか”が最大のポイントでした。メドレーは、それぞれの楽曲のクオリティーを保ちつつ、全体を通してのストーリー性がないと成り立たないんですよね。
今回、それが“コンサートの1曲目”という大役でもあったので、オープニング感も大事にしつつストーリー作りに1番苦労しましたね。特に難しかったのが楽曲の“接続点”。メドレーって、その“つなぎ”が命なので。
“どこでつなぐか”とか”曲と曲のキーが合うか”などそういう“接続点”にこだわりました。
「ジムノペディ第1番」
もともとこの曲はピアノソロなので、まずは原曲の静けさや空気感をそのまま活かすところから始めました。“透き通るような音色”が合うので、序盤はあえて大きく手を加えず、ピアノの世界観を大切にしています。
曲自体が素朴な雰囲気なのでクラリネットやオーボエなど、音色の柔らかい楽器を少しずつ重ねていくことで、色彩を足していくようなアレンジにしました。
元々ピアノ楽曲を編成を変えて表現できたのは、チルクラシックならではの面白さかなと思います。
「Part of your world」
今回、新たにティンパニを加えました。もともとピアノの低音域の音でティンパニを表現していた部分に、ティンパニを重ねたことで、“叩いた瞬間に空気が揺れる”ような要素が加わりました。ピアノでは出せない質感があり、あらためて打楽器の力を感じましたね。
海、それからファンタジーの世界をより一層際立つアレンジになったと思います。
「ウィーアー!/ブルーバード/メリッサ/Believe/Butter-fly/COLORS/again(CHILL CLASSIC CONCERT Cover ver.)」メドレー
まず、“顔になるフレーズ”は絶対に外せないと思って、そこを中心に構成しました。1曲ずつじっくり聴かせるというよりは、誰もが知る名曲の“いいとこ取り”をして、目まぐるしく展開していくアレンジにしています。
特にこだわったのは構成です。曲を終わらせると流れが止まってしまうんですよね。あえてサビの途中で次の曲が重なってくるようにして、勢いを持続させる工夫をした部分がたくさんあります。
「残酷な天使のテーゼ/魂のルフラン」メドレー
はい。実は以前、高橋洋子さんとオーケストラ共演をさせていただいたことがありまして。
そのとき、僕がピアノを弾いて、洋子さんが歌ってくださったんです。もう鳥肌ものでした。
その時に編曲もさせて頂いて、今回のアレンジはその時の体験がベースになっています。
“ノリ”や“歌い方の呼吸”を実際に体感してから作っているので、より本物に近づいたアレンジになっていると思います。
「名探偵コナン メインテーマ」
この曲はもうサックス一択ですね。
「名探偵コナン メインテーマ」をチルクラシックでやるなら、“これしかない”って感じにしました。変にひねらず直球勝負にしました。
「運命のルーレット廻して」
僕にとってドンピシャの世代曲ですね。
特に印象的な『運命の…』って入るあのフレーズ、3回登場するんですが、すべて違う雰囲気にしています。
それぞれに変化をつけることで、展開が感じられるように意識しました。
―1番耳に残るあの部分、どう魅せるかがポイントだったんですね。
そうですね。やっぱり“この曲といえばココ!”って誰もが思う部分ってあるじゃないですか。
そういう“顔のフレーズ“を外さずにどう引き出すか、それは編曲者としての重要な感性だと思います。
今回も“ここしかない”と感じたところを素直に出しました。
「Secret of my heart」
はい、ビルマンくんのヴァイオリンソロが登場します。さらにチェロのソロも入っていて、そこにピアノが寄り添うような構成です。
―ソロが際立つ構成なんですね。
そうなんです。ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、それぞれがしっかり“語る”ように音を紡いでいけるよう意識しました。
―この曲を小編成でやろうと思ったきっかけは?
どこかでヴァイオリンとピアノのソロを生かしたいと思っていたんです。
この曲を聴いたときに、『あ、これだな』って直感で決まりました。
歌の旋律とヴァイオリンの音色が重なることで、より雰囲気が出せたかなと思います。
「渡月橋~君想ふ~」
どちらも“和”のテイストが感じられる旋律で、その雰囲気がアニメの世界観とすごく合うんですよね。
アレンジも主人公と幼馴染のやりとりを思い出しながら作りました。
言葉にできない感情や距離感を表現できたらと思ってアレンジしました。
「変わらないもの」
これ、どう思いました?(笑)
メインの弦楽合奏(ポイントにハープが入っています)っていうのは、また全然違う味が出るんですよね。確かにこの曲もアップテンポなわけですが、ちょっと切なさを出す必要があるなと。
そのシーンが浮かんできて、聞いたことあるメロディーがしっとりと流れるというのを表現したくて、劇伴のようなイメージで作っています。これを原曲が大好きな人がどう捉えるか、賛否両論かもしれないですね。。。
メロディーの断片を使って、若干コード進行も匂わせておいて、サビに行かないというような書き方にもなっています。過去の世界にも浸ってしまうような、雰囲気を目指しています。
「Let It Go」
アニメの世界観を失わないよう、できるだけ原曲の雰囲気を大切にしました。
オーケストラの編成で、よりドラマチックに、そして迫力あるアレンジに仕上がったかなと思います。
「勇者」
実は、そこまで苦労はなかったんです。演奏は大変かもしれませんが、アレンジとしては、“できるだけ原曲に忠実に”という想いが強かったので、自然と形になりました。
―音の展開もすごく豊かでした。
そうですね。『勇者』は音色のバリエーションがとても多い曲なので、聴いていて“いろんな音の景色”を楽しんでもらえると思います。
―エンディングも華やかで印象的でした。
毎回しっとり終わるのもどうかなと思っていて、最後は勇しく終わると決めていました。
「Sincerely」
グロッケンのキラキラした音色が特徴的かなと、その“きらめき”が曲の繊細さを際立たせる役割を担ってくれているかなと思います。
「ひまわりの約束」
イントロは、歌のメロディーから着想を得て、あるワンシーンに流れるようなイメージで作りました。
ストーリー仕立てにすることでより感情が乗るよう意識しました。
―ちなみに…この曲の制作、順調でしたか?
実はこの曲、“煮詰まり系”だったんです(笑)良い方向性が見つからない時って、体感的に30分が一瞬で過ぎてしまう感覚。でも、最終的に道筋を決めたら一気に進みました。時間はかかりましたが、手応えのある1曲になりました。
「ボクノート」
原曲を大事にしながら、木管楽器を主役に据えました。音色の優しさやあたたかさが、この曲の持つ“想い”をより引き立ててくれたと思います。
―アニメの世界観にもよく合っていましたね。
そうですね。音楽の力によって皆さんの思い入れのシーンや、その時間を思い出して頂けたら嬉しいです。
「ムーンライト伝説」
これ、今までの中でも1番うまくいったかもしれません。最初の音から“グッと”引き込める手応えがありましたし、自分の中でもすごく好きな曲なので、自然と熱が入ったというか…
最初の一音で“あ、来た!”って思わせたいと思ってアレンジしました。イントロのインパクト、そしてどこか懐かしさと華やかさが共存する感じがまさにアンコールにぴったりな楽曲に仕上がったかなと思ってます。
いつもあたたかく迎えてくださる“ホーム”横浜・大さん橋ホールで演奏できることを
とても嬉しく思っています。今回も命削る勢いで(笑)編曲させていただきましたが、それもすべて、みなさまと最高の時間を過ごしたいという想いからです。
チルクラシックならではの心地よさと、生演奏の迫力を、ぜひリラックスして楽しんでいただけたら嬉しいです。会場でお会いできるのを、心から楽しみにしています。
その次の公演もお待ちしています!
…気が早いですかね(笑)
公演タイトル
CHILL CLASSIC CONCERT SEASIDE -Anime Collection-
会場
横浜港・大さん橋ホール
〒231-0002 神奈川県横浜市中区海岸通1丁目1−4
公演日時
DAY1:2025年6月7日(土)
第1公演 開場11:00 / 開演12:00
第2公演 開場14:30 / 開演15:30
第3公演 開場18:00 / 開演19:00
DAY2:2025年6月8日(日)
第1公演 開場10:00 / 開演11:00
第2公演 開場13:30 / 開演14:30
第3公演 開場17:00 / 開演18:00
※公演時間は約90分程度を予定